やわやわやわず

子は あたたかい布団にくるまれてマークシティの廊下をつるつる進む
マークシティにいる全ての子は あったかい繊維にくるまれてつるつる進んでる
顔だけまるく出している



大人になれば
好きなものは身体がよく知っている
年々身体が知ってゆく
その嗅ぎ分けのスピードはどんどん早くなって
例えば本だったら、もう最初の一文で


そういう身体になってしまったことが
うれしくもあり かなしくもある



子たちをくるむ繊維を剥がすと
やわやわやわな皮膚の上にはいろんな出来事がふりつもる